2017年9月4日月曜日

虫を知る



 残暑のこの日、久しぶりに散歩へ行きました。きっかけは、今夏、子ども達を楽しませてくれたカブトムシを隣りの林に返すことになったからです。その道中、生存競争を目の当たりにしました。地蜂がバッタを静かに襲っていたのです。両者ピクリとも動かないその姿に背筋が凍りました。子どもも大人もどうしてこんなに騒いでいるのかと言いますと、散歩に出る前に保育園でも同じ出来事が起きていたからです。
 保育園の欅の木の下で地面の一点を見つめる男の子がいます。視線の先には蝉が倒れ、羽をバタつかせて鳴いていました。もう死んじゃうのかなと言う男の子の元に駆け寄ったのは物知りの女の子。「蝉は七日しか生きられないんだって。だから蝉はとっちゃいけないんだって。」そんな話をしていました。その様子を見た他の子が異変に気づきます。「違うよ!蜂が襲ってる…」
 知った子ども達はもの凄い騒ぎでした。子どもの安全の為に、撃退スプレーを掛けざるをえませんでしたが、親しみのある蝉が動かなくなる様子と、蜂の攻撃性に圧倒され、複雑な心境の子ども達。暫く沈黙が続きました。
まさに”生存競争” 虫の生態を知ると共に、命の大切さを感じたことでしょう。

散歩の帰り道、虫かごを友達と交互に持ちながら、籠越しに足場を確かめて歩く子どもの姿。「危ないよ」と籠を預かろうと思いましたが、「気を付けてね」口から出たのはそんな言葉でした。
                             (A.H)

1 件のコメント:

  1. 生き物の世界は「かわいい」や「かっこいい」だけじゃない。時に残酷で、時に悲しい。夏の終わりに、子供たちはかけがえのない経験を積むことができましたね。

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