辺りの賑やかさを気にもせず、地面にしゃがみ込み黙々と手を動かしている子がいます。鍬型シャベルと、その下にカップを置き軸を作っているのです。大したものだなと感心しながら、邪魔してはいけないと、声を掛けずに見守る事にしました。
一つ二つ三つ…。書き終わるとその都度立ち上がり、下を見下ろして首を傾げます。そして、場所をずらしてまた書き出します。いったいいくつの円を書いたでしょう。「つかれた~」と言って立ち上がり、やっと私と目が合いました。子どもが放った言葉で気づきました。「できた」でもなく「やった」でもなく「おわった」でもなく「みてみて」でもない…。この子はまだ満足していない、この遊びはまだ終わっていないと。
暫くしてまた始まりました。今度は友達を中に入れ、円で囲っています。先程よりも円を書くのが上手になっているような気がしました。
(A・H)
「このシャベルを使うときれいな円が描けることは分かった。しかし、納得のいくものは、そう簡単にはできない。わたしはこのレベルでは満足しないの。いつか完璧な円を描いてやるわ。その時よ、『見て見て!』と言うのは!!!」彼女の心の声を代弁して見ました。
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